ちびすけブログ

メガネで白衣で美幼女とか呼ばれたりする指揮官でウマ娘とポケモンのトレーナーでオーナーブリーダーでエンパイアクラブに所属するメイドのブログです。

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よーそこの若いののパラドックスの話

ニッポン放送テレフォン人生相談を聞いていたら、回答者が「人の言うことを聞くな」というアドバイスをしていて、それ自体は状況を鑑みれば*1理想的なアドバイスなんだけど、それってパラドックスだよなと思うなどしていました
同じようなパラドックスが、竹原ピストルさんの「よー、そこの若いの」という歌にあります

www.youtube.com

よー、そこの若いの 俺の言うことを聞いてくれ
「俺も含め、誰の言うことも聞くなよ。」

これ、竹原ピストルさんが紅白に出た2017年の大晦日にもちょっと話題になりましたよね
簡単に解説すると

  • 俺の言うことを聞こうと思うと、俺も含め誰の言うことも聞けなくなるので、俺の言うことを聞けなくなる
  • 俺の言うことを聞かないと思うと、俺の言うことを聞かないのは俺の言うことを聞くことになるので、俺の言うことを聞かないが満たせなくなる

というパラドックスですね
同じようなパラドックスに「エピメニデスのパラドックス」というのがあります
ja.wikipedia.org
クレタ人のパラドックス」とか「自己言及のパラドックス」とも呼ばれますね*2
簡単に言うとクレタ人であるエピメニデスが「クレタ人はみな嘘つきだ」と言ったという話です
簡単に解説すると

  • クレタ人はみな嘘つきだ」が嘘だとすると、エピメニデスは嘘をついていることになり、「クレタ人はみな嘘つきだ」が嘘ではなくなってしまう
  • クレタ人はみな嘘つきだ」が真実だとすると、エピメニデスは正しいことを言っている=嘘をついていないことになり、「クレタ人はみな嘘つき」が満たされなくなる

しかし、これは「クレタ人はみな嘘つき」と、「クレタ人はみな正直者」という誤った二分がされているからこそ生じるパラドックスであり、正直者のクレタ人を1人でも連れてくれば、「クレタ人には嘘つきも正直者もいる」という状態になるため、エピメニデスの言っていることは「ただの嘘」になります


よー、そこの若いのも、同じように解決できます
信頼のできる誰か1人を連れてきて「あなたの言うことは聞きませんがこの人の言うことは聞きます」と言えば、「俺も含め誰の」の「誰の」の部分だけを否定することができます
俺の言うことを聞かないのに、俺も含め誰の言うことも聞かないという状態に陥らないのでパラドックスに陥らないわけですね
実際、誰の言うことを聞くのかは本人が選ぶべきというのは確かにそう思います


というか、2017年の年末ぐらいに「よーそこの若いの パラドックス」で検索をかけた時にこの解説を見た記憶があるのですが、今回思い出したので検索をかけたらきれいさっぱり消えていて、よくわからない解説になってない解説だけが残っている感じだったんですよね
なので、解説として残したくてこのブログを書いているところもあります

*1:相談者は他人の評価や言動を気にしすぎている状態だった

*2:エピメニデスのパラドックスは自己言及のパラドックスの1つといった方が正解かも